2013年11月09日

法科大学院、5段階分類 統廃合推進へ補助金傾斜 文科省方針


以下は、MSN産経ニュース(2015年11月6日)からの引用です。

「司法試験の合格率低迷などが問題視されている法科大学院について、文部科学省は5日、全73校を5段階にグループ分けし、下位グループの大学院の統廃合を実質的に進める方針を固めた。

文科省は大学院側や関係省庁とも調整のうえ、平成27年度からの実施を目指す。

新たな司法制度の柱として16年に創設された法科大学院制度は、10年目で大きな転換を迎えた。

文科省関係者によると、新たな改革は、司法試験合格率や定員充足状況などを点数化し、全73校を上からA、B1、B2、B3、C−の5段階にグループ分けする。

そのうえで、Aグループとなった法科大学院には、現在配分されている公的支援額をほぼ全額支給する。

同ランクの大学院でも、点数が高いほど公的支援金を傾斜的に配分する。

逆に、Cグループの大学院は公的支援額を半減し、教育面で工夫がみられない状態が続けば公的支援がゼロになる仕組みを採用。

下位校は複数校同士で連携するなどの道を模索しなければ経営難に陥るため、実質的な統廃合を促す制度となる。

16年創設の法科大学院は、司法試験の合格率低迷で学生離れが進み、23年度以降、明治学院大や駿河台大など5校が学生の募集を停止(うち1校は廃止)。

今年度は過去最悪となる64校で定員割れとなり、うち40校で入学者数が定員の半数以下だった。

定員不足による教育の質の低下も深刻で、文科省によれば今年の司法試験合格率が1割未満だった法科大学院が25校にのぼった。

政府は昨年から今年6月にかけ、法曹養成制度検討会議を設置して有識者らによる制度改革を協議したが、抜本的な対策を打ち出しきれず、7月からは内閣官房に制度改革推進室が新設され、具体策の検討が続けられていた。




続いて、以下は、同じくMSN産経ニュース(2015年11月6日)からの引用です。

法科大学院改革 生き残りかけ大なた

「法科大学院を点数制でグループ分けする今回の改革は、全校に専門職大学院としての自覚を促し、教育の質の向上を図る狙いがある。

下位校の公的支援金を大幅カットする半面、上位校に傾斜的に上乗せすることで、各校の自主的な教育内容の工夫と改善を見込む。

特に司法試験合格率が低い下位校にとっては、公的支援がゼロとなるケースもあるため、生き残りをかけた連携や統廃合が進むことが予想される。

文部科学省の改革案では、全73校を5段階にグループ分けする際の点数制基準として、従来の司法試験合格率や定員充足状況などに加え、国際的に通用する人材育成や特色ある先導的教育内容、夜間開講といった指標も取り入れられるとみられる。

教育の質の向上に努める取り組みを積極的に評価することで、下位校の自主的な連携を促すためだ。

上位校にとっても、下位校と連携してその質を高めれば公的支援がさらに上乗せされるため、統廃合の流れが加速する可能性もある。

司法制度改革の柱として平成16年度からスタートした法科大学院制度は、当初から問題を抱えていた。

事前の見込みでは全国で20〜30校が開校するとされていたが、ほぼ3倍となる74校が開校する乱立状態に。

このため修了者の7、8割が司法試験に合格するという構想は崩れ、入学者減に歯止めが利かない状況になっていた。

ただ、法科大学院の本来の目的は、司法試験合格率を高めることではなく「質の高い法曹人口の拡大」にある。

法科大学院制度創設10年目での大転換案が実施された場合、各校がどれだけ教育の質の改善に取り組めるかが問われている。」




本年度の法科大学院入試の志願者は制度発足当初の僅か2割足らずの1万3924人で、募集定員4261名に対し、入学者は定員の63%に当たる僅か2698人でした↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/361022338.html

志願者が2割足らずになっているのですから、ごく一部の優秀な法科大学院を除き、軒並み大幅な定員割れとなりそうなものですが、そうなっていないのは、当然のことながら公的支援の削減を嫌がる法科大学院が、帳尻を合わせようとして、定員を削減した結果です。

それでも、本年度は69校中64校と93%が定員割れ、入学者数が定員の半数に満たなかったところが実に40校もあります↑

一方、昔の司法試験並みの合格率の予備試験の狭き門に、1万1255人もの出願者が殺到しています↑

東大の法科大学院の学生にすら、「法科大学院の授業は丁寧だけど、司法試験にはプラスにならない」と言われてしまう法科大学院制度って、一体何なのでしょうか↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/294266925.html

それなのに、20%の下位校の連携や統廃合を促して、それで終わりなのでしょうか。

札幌弁護士会では、本年3月27日に、「法科大学院課程修了を司法試験受験資格としないこと。」「充実した実務教育を行うため、司法修習制度において前期集合修習を実施し、修習期間を延長するなどの改善を行い、あわせて給費制を復活させること。」という決議を行っています↓
http://satsuben.or.jp/info/statement/2012/res02.html




と思ったら、翌日にはこんな報道が。

という訳で、以下は、朝日新聞デジタル(2013年11月7日)からの引用です。

司法予備試験351人合格 「法科大学院経ず」増加

「法務省は7日、法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる「予備試験」の今年の合格者が、351人だったと発表した。

初回の2011年が116人、12年が219人で増え続けている。

本来は「例外」的な位置づけの試験だが、人気の高まりが鮮明となった。

今回の受験者数は過去最多の9224人。

合格者中、法科大学院在学生が164人、大学生が107人で、全体の7割を超えた。

20〜24歳が全体の6割近くに上り、若い世代が修了まで時間がかかる法科大学院を敬遠し、予備試験に流れる傾向が強まっている。

合格率も昨年の3・0%を上回る3・8%に。

合格者は法科大学院修了生同様、5年以内に3回まで司法試験を受験できる。

司法制度改革で導入された現在の法曹養成制度では、2〜3年かけて法律知識などを学ぶ法科大学院の修了が司法試験の受験条件だ。

経済的理由などで学べない人のために予備試験が設けられているが、実際は誰でも受験できる。

法科大学院のあり方などを検討してきた政府の「法曹養成制度検討会議」は、予備試験について「まだ実績が少ない」として、しばらくは現行制度を維持するとしている。」




順調に合格者が増えていますが、予備試験は、法科大学院課程の修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とする試験なのですから(司法試験法5条1項)、予備試験組の司法試験の合格率が、法科大学院組の合格率を大きく上回ること自体がおかしな話で↓、本来であれば、倍くらいの合格者が出ても、おかしくないと思います。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/374604258.html

法科大学院を卒業しなくても司法試験を受験できる予備試験、膨大な時間と費用をかけて通っても、司法試験に役に立たない上に、いつ統廃合されるかもわからない法科大学院、前者を選択したいと思うのは、当然のことだと思います。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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