2013年10月25日

性犯罪被害者名を守れ 弁護人に秘匿命令も 東京


以下は、朝日新聞デジタル(2013年10月19日)からの引用です。

「性犯罪の被害者が再び被害に遭うのを防ぐため、東京地裁は、被害者の調書などに記されている被害者名を被告に教えぬよう、弁護人に命令を出すなどの方策を、東京地検と東京の三つの弁護士会に提示した。

被告に判決文の写しを交付する際、被害者名を伏せることも視野に入れている。

東京高検は管内の地検に周知。

今後、同様の運用が全国に広がる可能性がある。

東京地裁では9月、裁判官らが協議した。

検察側が起訴状で被害者名を伏せるような事例では、被害者の調書などを通じて被害者名が漏れないよう、まず弁護人に「被告には被害者名を伝えないように」と要請する▽協力を拒まれた場合は、弁護人に命令を出す――との方策が、先週までに示された。

この命令は、法律上の根拠となる明文規定はない。

しかし地裁は、手持ちの証拠を相手方に示すよう命じる「証拠開示命令」が同様に規定はないまま、判例で認められている点に着目。

現行法の枠組みの中で、命令を出せると判断した。

東京地裁のベテラン裁判官は「被害者保護の観点から、大半の弁護人は『要請』の段階で協力してくれるはず。命令まで出す例はほとんどない」とみる。

ただ、弁護士会などは、事実関係を争う場合や、示談に向けて賠償金や謝罪の手紙を送るなどの目的で、被告が被害者名を知る必要があるケースを想定。

「被告からの依頼を地裁の要請を理由に断れば、弁護人を解任されることもあり得る」との懸念が出ている。

性犯罪では、検察が起訴状で被害者名を伏せる事例が続いている。

名前が被告に伝わり、ストーカー行為などの再被害に遭う可能性があるからだ。

ただ、弁護人に示される捜査段階の被害者調書や、被告本人が裁判所に写しの交付を請求できる判決文には被害者名が記されている。

裁判官の間では「起訴から判決にいたる裁判の過程全体で、被害者名を秘匿する必要がある」との指摘が出ていた。 」




一方、以下は、MSN産経ニュース(2013.10.19)からの引用です。

強制わいせつ被害者の意向で起訴取り消し 東京地検

「強制わいせつ事件で被害に遭った児童側が裁判で被告に個人情報が伝わることを恐れているとして、東京地検が起訴を取り消す異例の対応をしていたことが18日、関係者への取材で分かった。

東京地裁はこの手続きを受け、公訴棄却の決定をした。

検察庁は昨年11月に起きた神奈川県逗子市のストーカー殺人事件をきっかけに、性犯罪事件などで特に保護が必要な場合、起訴状に被害者の実名を記載しない取り扱いを進めている。

関係者によると、地検は今回の事件でも起訴状で被害児童を匿名扱いにしていたが、児童側の意向を重く見て、取り消しを決めたとみられる。

強制わいせつ罪は被害者の告訴が必要な親告罪。

今年7月には、東京地裁が別の強制わいせつ事件で起訴状の匿名扱いを認めず、被害児童の親が「氏名を出すなら告訴を取り下げる」との意向を示していたことが明らかになった。」




更に、以下は、日経電子版(2013/10/22)からの引用です。

匿名の起訴状、再被害の恐れ強い場合に限定 東京地裁

「性犯罪やストーカー事件の被害者を保護するため、検察が起訴状に被害者を匿名で記すケースが相次いでいることを受け、東京地裁は21日までに、匿名にできるのは再被害の恐れが具体的に想定される場合に限られるとの考えを東京地検と在京3弁護士会に伝えた。

被害者名を被告に隠すよう弁護人に命令を出す案も紹介。

過度な匿名化に歯止めをかける狙いとみられる。

関係者によると、東京地裁の裁判官は9月以降、被害者名を伏せた起訴状の取り扱いについて検討。

匿名が認められるのは、被害者名が被告に知られることで被害者への直接危害や名誉毀損の恐れが具体的に想定される場合に限られるとの意見でおおむね一致した。

調書や判決文に被害者名が載る場合もあるため、被害者名を被告に教えないよう弁護人に命じたり、被害者名を隠した判決文や証拠を被告に見せたりする案も裁判官から出た。

地裁はこうした議論の内容を地検や弁護士会に説明した。」




1か月足らずで日弁連からの回答があったとは到底思えませんが↓、現場は待ったなしということなのでしょうね。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/376188531.html

元々、性犯罪は表面化しないケースも多いと言われており、匿名化を認めないことにより、より一層、本来処罰されるべき犯人が処罰されず、更に、新たな被害者が生まれるという事態は、防がなければならないとは思います。

しかし、明文の規定もないのに、弁護人に対する要請や命令というのは、納得できませんね。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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