2013年01月28日

安愚楽債権者集会:返還額は出資の5%に


以下は、毎日jp(2013年01月22日)からの引用です。

「和牛オーナー制度で出資金を集め経営破綻した安愚楽(あぐら)牧場(栃木県、破産手続き中)の第2回債権者集会が22日、東京都内で開かれた。

破産管財人の渡辺顕弁護士は、債権者への返還額が出資金約4200億円の約5%(約210億円)になる見通しを明らかにした。

消費税の還付などで増えたといい、年内にも支払われる予定。

昨年5月に開かれた第1回債権者集会では回収できた資産は0.5%(約23億円)にとどまっていた。

だが、その後消費税が還付されたことなどにより、192億円まで増加。

東京電力福島第1原発の事故で牛の価格が下落したことへの賠償約20億円も回収できる見込み。

三ケ尻久美子社長は前回に続き、病気を理由に欠席した。」




安愚楽牧場のホームページ↓に、早速、債権者集会の資料が掲載されていますが、違う方面が、にぎやかになってきています。
http://www.agura-bokujo.co.jp/index.html




という訳で、以下は、毎日jp(2013年01月18日)からの引用です。

安愚楽牧場:経済評論家時代に推奨、海江田氏提訴も視野

「和牛オーナー制度で出資金を集めていた「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)が経営破綻した問題で、経済評論家時代に同牧場への出資を勧めていた民主党の海江田万里代表(63)を相手取り、一部被害者が損害賠償を求め東京簡裁に民事調停を申し立てていることが全国安愚楽牧場被害対策弁護団への取材で分かった。

海江田氏側は「賠償責任はない」と主張しており、次回協議(2月5日)で和解が成立しなければ東京地裁に提訴する方針。

弁護団によると、賠償請求しているのは、海江田氏が20年ほど前に書いた雑誌記事などを読み同牧場に出資した94人の被害者。

出資総額は約15億円で、うち1割に当たる約1億5000万円の賠償を求め、昨年6月に申し立てた。

これまでの3回の協議では和解は成立せず、次回も不調に終われば、94人のうち約30人が提訴する方針。

海江田氏は、93年に衆院議員として初当選するまで経済評論家として活動。

同牧場を「知る人ぞ知る高利回りの利殖商品」とたびたび紹介。

「元本は保証付き」などとして出資を勧める記事を執筆した。

しかし、同牧場は11年8月に破綻。出資金約4200億円の大半は返還されない見通しで、一部被害者が旧経営陣を詐欺容疑などで刑事告訴している。

海江田氏は、毎日新聞の取材に代理人を通じ「(記事を)執筆した時期とその後の日本の経済は全く異なっており、評論の効力はなくなったと考えている。損害賠償責任を負うものではない」と回答。

一方、弁護団長の紀藤正樹弁護士は「海江田氏は経済の専門家として記事を書いた点で責任は重い」としている。」




全国安愚楽牧場被害対策弁護団の公式ホームページ↓によると、海江田氏は、安愚楽牧場の和牛預託商法について、以下のように述べていたとのことです。
http://agurahigai.a.la9.jp/

・「13.3%の高利回りは驚異的だ」「元金確実で、しかも年13.3%と考えれば、他の金融商品はまっ青!」(書籍・「今どうすれば一番損をしないか」)

・「和牛の死亡率は0.4%と低く、また万一そのような事態があっても代わりの牛が提供されるので、契約どおりの利益は保証されます」(雑誌・「BIGMAN」昭和63年3月)

・「知る人ぞ知るといった高利回りの利殖商品」「むろん元本は保証付き」(書籍・「海江田万里の金のなる本」)

・「この利益は申し込み時に確定していて、リスクはゼロ」(雑誌・「女性セブン」平成4年7月2日)

・「利益は申し込みをした時点で確定していますから、リスクもありません。」(雑誌・月刊ドリブ「DoLive」平成4年9月)




芸能人等の有名人が広告塔になったような場合に、損害賠償責任を認めた判決は殆どなく、例えば、円天(L&G)商法に関する東京地裁平成22年11月25日判決(判例時報2103号64頁)は、「芸能人等有名人が、広告に出演する場合に、広告主の事業内容・商品等について、常に調査をしなければならないという一般的な注意義務を認めることは、過度の負担を強いるものであって、相当でないというべきである。有名人が、広告に出演する場合に、調査義務を負うか否か及びその程度等については、個別具体的に、当該有名人の職業の種類、知名度、経歴、広告主の事業の種類、広告内容などを総合して判断すべきである。」として、結論としては、損害賠償責任を否定しています(被害者側は控訴)。

損害賠償を認めた判決としては、原野商法に関して、損害の一部につき責任を認めた大阪地裁昭和62年3月30日判決(判例タイムズ638号85頁)が、唯一のもののようですが、反対に加害者側から控訴されており、その結果がどうなったのかは、わかりませんでした。

海江田氏の場合、単なる有名人ではなく、経済評論家という経済の専門家ですし、そもそもリスクのない出資などあり得ないことは、百も承知だと思うのですが、さて、どうなるでしょうか。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:35| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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