2012年12月26日

成年後見人選任の当否と後見開始の審判に対する即時抗告


1人暮らしで身寄りのない姉妹が認知症となり施設に入所し、空家の自宅が放置状態となり、落雪や不審火などで近所に迷惑をかけたくないと思い、不動産屋さんの勧めで成年後見の申立をして、後見開始の審判が出たものの、自分ではなく、第三者の司法書士が後見人に選任されてしまったという方が相談に来ました。

別に、私利私欲のためという訳ではなく、介護費用がご本人の年金収入を上回っている状態なのに、更に、第三者の後見人に報酬を支払うと、貯金が底を着くのが早まってしまう、自分が後見人に選任されれば、報酬など請求することはないのに、という相談でした。

実に最もなことだと思い、年末ですが、早速、不服申立(即時抗告)をしようと思いましたが、驚くべきことに、「後見開始の審判に対する即時抗告において成年後見人選任の不当を抗告理由とすることはできない。」のだそうです↓
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=34732&hanreiKbn=03

「審判に対しては最高裁判所の定めるところにより即時抗告のみをすることができるところ(家事審判法14条)、成年後見人選任の審判に対し即時抗告をすることができる旨の規定はない。家事審判規則27条1項は、民法7条に掲げる者は後見開始の審判に対し即時抗告をすることができる旨を規定しているが、その趣旨は、民法7条に掲げる者で後見開始の審判に不服のある者に即時抗告の権利を認めたものであり、これと同時にされた成年後見人選任の審判に対し即時抗告を認めたものではない。したがって、後見開始審判に対する即時抗告において、後見人選任の不当を抗告理由とすることはできず、抗告裁判所も原審判中の成年後見人選任部分の当否を審査することはできない。法は、後見人にその任務に適しない事由があるときには、家庭裁判所は、被後見人の親族等の請求又は職権により、これを解任することができる(民法846条)などと定めるにとどめているものである。」からだそうです。

釈然としませんが、相談者の方も、最高裁まで争うつもりはないとのことでしたので、相談のみで終了ということになり、それなりに納得して、帰って頂きました。

ちなみに、ご本人の居住用不動産について、売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定などの処分をする場合には、家庭裁判所に「居住用不動産の処分についての許可審判事件」の申立てをして、許可を得る必要がありますが、自宅は終の棲家ですので、「不用心だから」という理由だけで、裁判所が認めるのかどうかは、何とも言えないところです。

勿論、朽廃状態にあり倒壊の恐れがあるとか、介護費用を捻出するためには自宅を売却するしかないということであれば、当然、認められるでしょうが。

なお、売却する以外にも、リバースモーゲッジという選択肢もあります↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%83%E3%82%B8

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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