2012年11月15日

祇園暴走:てんかん発作が原因 殺人容疑の立証困難


以下は、毎日jp(2012年11月14日)からの引用です。

「京都市東山区の祇園で今年4月、軽ワゴン車が暴走し歩行者ら7人が死亡、12人が重軽傷を負った事故で、京都市西京区、会社員、藤崎晋吾容疑者(30)=死亡=が持病のてんかん発作を起こしたことが暴走の原因とする見方を京都府警が固めたことが、捜査関係者への取材で分かった。

府警は、藤崎容疑者が最初のタクシーへの追突直前に発作を起こし、その後も意識がもうろうとした状態で車を暴走させた可能性が高いと判断。

故意性を伴う殺人容疑の立証は困難とし、自動車運転過失致死傷容疑で書類送検する方向で捜査を進めている。

捜査関係者によると、藤崎容疑者の胃の内容物から解熱剤の成分を検出。

体調不良が発作の要因の一つになったとみている。

藤崎容疑者は路地から大和大路通に入って約30メートルの場所で、時速約40キロで走行中のタクシーに追突した。

防犯ビデオの映像の解析などから、追突直前に不自然に急加速したことが判明。

追突直後に目を見開いたまま固まったようになっていたとの目撃証言もあり、追突直前にてんかん発作を起こした可能性が高いと判断した。

藤崎容疑者はその後、約360メートルにわたって暴走し、歩行者19人をはねて死傷させた。

走行ルートの分析や目撃証言などから、失神や全身硬直などはなかったが、意識がもうろうとした状態で、ハンドル操作をしたとみられる。

また、最後に時速約70キロで電柱に激突する際にブレーキを踏んでいないことも踏まえ、暴走中、てんかん発作が続いていたとみて矛盾はないという。

藤崎容疑者は10年前のバイク事故で頭を強打したことが原因で、「てんかんの疑い」と診断された。

府警は、藤崎容疑者が主治医から車の運転をしないよう再三忠告され、当日は体調が悪かったにもかかわらず運転したことが過失に当たるとみて調べている。

府警は当初、殺人容疑で関係先を捜索したが、故意に人をはねたとの証拠は得られなかった。

司法解剖の結果や車の操作状況、過去の発作歴などを複数の脳の専門家に示して意見を求め、てんかん発作と事故の因果関係を捜査してきた。」



とても痛ましい事故で、衝撃的な映像でしたが、てんかん発作だったのですね。

てんかん発作と運転免許と言えば、以下は、日経電子版(2012/10/11)からの引用です。

てんかん患者の免許取得緩和を 学会が提言

「日本てんかん学会は11日、てんかん患者が運転免許を取得する際の条件緩和を求める提言を公表した。

現状では運転に支障のある発作が2年間起きていないことが条件だが、提言では期間を1年間とした。

てんかんを申告せずに免許を取得・更新し事故を起こす例が相次いでおり、同学会は「治療を続ければ1年でもリスクは変わらない。患者が納得できる制度にして申告を促したい」としている。

現在、てんかん患者が免許を取得するには「2年間発作がなく、その後も数年間発作が起きない」などの条件を満たし、医師の診断書を提出することが必要。

無申告でも罰則はない。

学会は「1年以上、無発作で経過し、その後も同じ治療を継続する場合」などと条件を緩和することを提言。

その上で、5年以上発作が抑制されるまでは免許更新時に診断書を提出するとした。

てんかん患者は2002年施行の改正道交法で免許の取得が可能になった。

ただ持病を申告せずに免許を取得・更新し事故を起こす例が続発。

遺族らから持病を隠して免許を取得できない仕組みや、無申告への罰則を求める声が上がっている。」



続いて、以下は、MSN産経ニュース(2012.10.25)からの引用です。

病気隠しに罰則規定 クレーン事故受け提言 てんかん患者などの免許制度

「栃木県鹿沼市で昨年4月、運転手のてんかん発作で児童6人がクレーン車にはねられて死亡した事故を受け、てんかんなどの病気の患者の免許制度について検討してきた警察庁の有識者検討会(座長・藤原静雄中央大法科大学院教授)は25日、車の運転に支障を及す可能性がある病状などの虚偽申告に罰則を新設することなどを盛り込んだ提言書を小平忠正国家公安委員長に提出した。

警察庁幹部は、「提言を踏まえて道交法改正案を来年の通常国会に提出したい」としている。

提言では病状の虚偽申告で運転の適性が欠けている人に免許が交付されると、重大な事故を引き起こす恐れがあると指摘。

運転に支障を及す症状を虚偽申告した場合には罰則が必要とした。

罰則を設けることで、虚偽申告による免許の取得、更新の抑止につながるとしている。

自己申告以外に警察が一定の病気の患者を把握するために、医師が患者の情報を任意で都道府県の公安委員会に届ける仕組みも必要とした。

病気を理由に免許を取り消された人が症状が緩和したために免許を再取得する際には、取り消しから3年であれば技能と学科試験を免除する負担軽減を図り適正な症状申告を促すべきとした。

何回にもわたって事故を起こしている人を把握できるようにするため、28都府県警で運用している交通事故情報のデータベースを全国に広げて整備することも求めた。

鹿沼市の事故は昨年4月に発生。

遺族らは、医師に事故を引き起こす可能性の高い患者の通報を義務化する道交法の改正を求め、約20万人の署名を提出していた。

法務省には、虚偽申告で免許を取得した患者が事故を起こした場合には危険運転致死傷罪を適用するよう刑法改正を要望しており、法制審議会(法相の諮問機関)が議論している。」



どちらの方向性も、相矛盾するものではありませんし、間違っていないと思います。

ただ、てんかんという持病があっても、免許を取得することができない訳ではなく、しかも、任意保険にも加入でき、万が一の事故の際には、少なくとも被害者に対する保険金の支払には支障はないようですが↓、とは言っても、今回のようなことになってしまえば、本人は勿論、被害者やその遺族らの人生を大きく変えてしまうことになる訳ですから、もし、私に持病があったら、恐ろしくて、とても運転する気にはならないと思います。
http://epilepsy-info.jp/information/%E3%81%A6%E3%82%93%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%A8%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E4%BF%9D%E9%99%BA/

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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