2012年10月15日

O157食中毒:浅漬け製造会社、民事再生法を申請 札幌


以下は、毎日jp(2012年10月10日)からの引用です。

「白菜の浅漬けを感染源とする病原性大腸菌O157の集団食中毒で、浅漬けを製造した「岩井食品」(札幌市西区)が10日、記者会見し、札幌地裁に民事再生法の適用を申請して保全命令を受けたと発表した。

現時点の負債総額は損害賠償の約2億2700万円で、代理弁護士は「あくまで被害弁償のための申請。弁償が終われば解散する」としている。

集団食中毒の発症者は道内外の169人(うち8人死亡)で、同社によると、連絡先が分かる84人への賠償試算が約2億2700万円に上るという。

残る85人や取引企業分も含めると、負債総額は大幅に増えるとみられる。

所有資産は約1億7500万円あり、同社は取引企業より被害者への賠償を最優先するという。

「被害者に会社として説明し、話し合いを重ねる」(代理弁護士)として民事再生法を申請したが、裁判所に申請が認められなければ破産手続きに入る。

岩井憲雄社長は「改めて被害に遭われた皆さまにおわび申し上げる」と話した。

一方、浅漬けを食べて死亡した札幌市東区の4歳女児の母親(33)は取材に「頭の中は娘を失った悲しみしかない。早く補償問題を解決して落ち着かせてほしい」と語った。

東京商工リサーチ北海道支社によると、同社は61年創業。

今年3月期は約9000万円の売り上げがあったが、食中毒で札幌市保健所から8月14日に営業停止処分を受けた。

被害者らへの説明会は27日午後1時半、札幌市中央区の「ホテルさっぽろ芸文館」で開かれる。

説明会の問い合わせは中原法律事務所(011・251・8871)。」



被害者のうち約半数の賠償試算だけで約2億2700万円、一方、所有資産は約1億7500万円、しかも営業停止ということですから、破産手続を選択してもおかしくはないところです。

しかし、破産手続だと、会社とは無関係の破産管財人が手続を行うことになり、会社としての誠意を示すことができない、破産法が定めた優先順位による配当しかできない等々の理由から、民事再生手続を選択したとのことです。

民事再生手続は、その名のとおり、本来、企業等の再生を予定した手続ではありますが、実際には、本件のように、配当終了後に解散というケースもあります。

しかし、配当終了後に解散というケースは、破産手続により営業停止となり営業価値が下がるの防ぎ、スポンサー企業に営業譲渡した上で、その対価を配当原資とするというケースが、通常なのではないかと思います。

ですので、今回の選択には、同業者として、感心しました。


裁判所も、保全命令を出した訳ですから、申立の内容が実際とは異なり、会社の資産が散逸しているなどの事情がない限り↓、開始決定が出るものと思われます。
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/234488037.html
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/231857346.html

社長は、私財もなげうつと言っているそうですが、数年前に保健所から指導を受けたのに、管理を徹底しなかったのですから、個人的にも責任がないとは思えませんので、当然のことだと思います。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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