2012年09月14日

クラヴィス破綻…SMBCグループに火の粉? 管財人が訴訟示唆


以下は、SankeiBiz(2012.9.9)からの引用です。

「過払い金の返還請求が相次ぎ、自己破産した消費者金融のクラヴィス(大阪市都島区)。

判明している利息の払い過ぎによる過払い金請求権は約2378億円で、債権者は約35万人。

債権者の返済に充てる原資がほとんどなく、管財人は親会社だったプロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)を相手取る訴訟を示唆しており、破綻(はたん)の影響がメガ金融グループに波及する可能性が出てきた。

大阪地裁に7月5日、自己破産を申請し、同日付で破産手続きの開始決定がなされたクラヴィスの債権者集会が8月末、大阪市内で開かれた。

約50人の参加者に対し、管財人の小松陽一郎弁護士はクラヴィスに財産と呼べるものがなく、現状で債権者への配当は困難だとして「プロミスに過去の弁済を返還するよう求めている。交渉が成立しなければ訴訟になる」と説明した。

管財人側の根拠はこうだ。

クラヴィスは、平成19年に貸付債権と債務をプロミスに譲渡し、同年12月に貸金業を廃業、収入源を失った。

一方、プロミスは20年1月〜24年5月の間、クラヴィスから引き受けた過払い金債務約147億円を請求者に支払い、クラヴィスから全額補填(ほてん)を受けていたという。

破産法は、支払い不能の破産者が一部の債権者を優遇して弁済することを、債権者平等に反する「偏頗(へんぱ)行為」として禁止している。

管財人はクラヴィスの支払い能力が19年末で消滅しており、同社の穴埋めによるプロミスの弁済が「偏頗行為」に該当するとし、返還と全債権者への再配当が妥当としている。

SMBCコンシューマーファイナンスは、どう対応するのか。

「破産手続きが終わっていない段階で、お答えしにくい」と同社広報CSR室の担当者は困惑する。

過去の弁済の返還請求は「当社としては、非常にまれなケースではないか」としている。

債権者側の不安の声は強い。

集会に参加した男性は「自己破産申請前に、個人で起こした裁判で勝訴したが、請求に返答がない。いったいどうなるのか」と憤りをみせる。

管財人側はクラヴィスの資産が乏しいため、10月末をめどにSMBCコンシューマーファイナンスとの交渉決着を急ぐ。

管財人が引き継いだ現金は9千万円ほど。

しかし、それもコールセンターの運営費や破産手続きの人件費で目減りし、「遠からず債権者への配当が不可能になる」(管財人代理)。

クラヴィスから債権譲渡を受けた別の消費者金融1社に対し、管財人は支払い済みの過払い金を返還するよう求める訴訟を8月、大阪地裁に起こしている。

ただ、先の見通しはまったく立っておらず、債権者代理の男性は「どれほど回収できるのか、まるで分からない」とため息をつく。

クラヴィスが破綻した原因は、出資法の上限(年29・2%)と利息制限法の上限(同15〜29%)の間の「グレーゾーン金利」が平成18年の最高裁判決で実質廃止され、過払い金の返還で業績が悪化したため。

クラヴィスの16年3月期の売上高は380億円だったが、過払い金の支払いで19年3月期に274億円の最終赤字に転落。

経営を維持できなくなった。

クラヴィスは、昭和50年に設立(当時の社名はリッチ)。

12年にプロミスの子会社となった。

一方、プロミスは16年に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の傘下入り。

プロミスとクラヴィスの親子関係は21年まで続いたが、他社との提携や債権譲渡を繰り返し、社名を何度も変更した。

「グレーゾーン金利規制の端境期で、再編整理を急いだ節がある」。

管財人代理の山崎道雄弁護士はこう指摘した上で、「会社の変遷が複雑で、実態把握は困難だ」と話している。」



クラヴィスのホームページに、債権者説明会の概要報告が掲載されています↓
http://www.clavis-kanzai.jp/guildsiryo/20120906.pdf

既に訴訟を起こしている別の消費者金融は、ネオラインキャピタル(現クロスシード)なんですね。

それにしても、東京でも、大阪でも、出席者はそれぞれ僅か50名程度と、初めからあきらめムードですね。

今回のプロミスとの一連の関係が何で問題となるのかというと、クラヴィスは、平成19年に貸付債権をプロミスに譲渡し、同年12月に貸金業を廃業、収入源を失い、支払い不能な状態に陥っていたのに(実際、上記報道にもあるように、過払金返還請求の訴えを提起しても、何らの応答もなく、判決が確定しても、同様でした)、プロミスにだけは、破産する直前まで、合計約147億円ものお金を支払っていたのは、不公平(偏頗弁済)だということです。

契約に基づく債務であろうと、法律に基づく債務であろうと、支払うのであれば、公平に、全てを支払うべきであり、全てを支払えないのであれば、同じく公平に、全て支払うべきではないということです。

偏頗弁済に対する否認権の行使は、相手方の悪意が要件となっていますが(破産法162条)、プロミスは、債権譲渡の当の相手方ですので、「クラヴィスが支払不能に陥っていることを知らなかった」という言い訳は、通用しないと思います。

金融機関は、結構、偏頗弁済には敏感だという印象があるのですが、プロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)が三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の傘下に入っているとは言っても、体質は異なるということなのでしょうかね。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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