2012年03月28日

米グーグル:検索予測差し止め命令…東京地裁仮処分


以下は、毎日jp(2012年3月25日)からの引用です。

大手検索サイト「グーグル」に実名などの文字を入力して検索する際、途中から予測文字や補足情報を表示する「サジェスト機能」を巡り、日本人男性がプライバシーを侵害されたとして、米国のグーグル本社に表示差し止めを求める仮処分を申請し、東京地裁(作田寛之裁判官)が申請を認める決定をしたことが分かった。

だが、米グーグルは「日本の法律で規制されない」と拒否し、被害が救済されない事態となっている。

決定は19日付。

◇米グーグル拒否「日本の法律で規制されない」

男性側によると、男性の実名を入力しようとすると、途中からフルネームとともに犯罪行為を連想させる単語が検索候補の一つとして表示され、それを選択すると男性を中傷する記事が並ぶという。

男性は数年前、当時の勤務先で思い当たる節がないのに退職に追い込まれ、その後の就職活動でも採用を断られたり内定が取り消されたりする事態が相次いだという。

このため調査会社に調査を依頼。その結果、あたかも犯罪に加担したかのような中傷記事がインターネット上に1万件以上掲載され、その中傷記事にサジェスト機能でたどり着くことが分かった。

男性は弁護士に相談の上、グーグル側に記事を削除するよう求めたが応じてもらえず、昨年10月に「被害が重大で緊急に削除すべきだ」として、サジェスト機能の表示を差し止める仮処分を申請。

地裁は男性側の主張を全面的に認め、差し止めを命じる決定をした。

男性側は当初、グーグルの日米両法人を相手取っていたが、日本法人は「削除権限は米法人にしかない」と主張し、訴えの対象から除外した。

残る米グーグルは「単語を並べただけではプライバシー侵害に当たらない。単語は機械的に抽出されており恣意(しい)的に並べているわけではない」と主張。

「社内のプライバシーポリシー(個人情報保護方針)に照らし削除しない」として、決定に従わないことを回答してきたという。

グーグルの検索エンジンはヤフーにも採用され、国内検索サイトのシェアを事実上独占している。

男性は代理人の富田寛之弁護士を通じ「グーグル側が決定に従わないことに憤りを感じる」と述べた。

富田弁護士は「弱い立場の個人や中小の事業者は、こうした検索結果が表示されるだけで失職や倒産など取り返しのつかない被害が生じる。日本での被害なのに、決定は米法人に執行できない。被害救済を実現するには法整備が欠かせない」と訴えている。

▽グーグル日本法人広報部の話 この件については現在、対応を検討している。」


また、以下は、YOMIURI ONLINE(2012年3月27日)からの引用です。

2ちゃんねる管理会社、実体なし…日本で運営か

「覚醒剤売買に関する書き込みを放置したとして、インターネット掲示板「2ちゃんねる」の関係先が警視庁の捜索を受けた事件で、掲示板の管理会社とされるシンガポール企業は、実体がないペーパーカンパニーだったことが現地での取材でわかった。

管理会社の取締役は読売新聞の取材に、名義を貸しただけで、2ちゃんねるの存在すら知らないと証言。

警視庁は、2ちゃんねるの管理は国内で行われていたとみて、実態解明を進めている。

シンガポール中心部の中華街「テロックアイヤー通り」。

2ちゃんねるの管理会社とされる「パケット・モンスター社」の登記簿上の本社は中華料理店が立ち並ぶ一角のビルにあった。

2ちゃんねるの元管理人の西村博之氏(35)の著書などによると、2ちゃんねるは2009年にパケット社に譲渡され、現在はパケット社が掲示板を運営しているという。

しかし、このビルに入っていたのは会社の連絡代行サービスを行う「リクビン」社。

受付の女性は「パケット社の事務所はここだが、社員は一人もいない」と告げた。

年間約700シンガポールドル(約4万6000円)でパケット社の連絡業務を代行しているといい、リクビン社幹部は「バーチャル(仮想の)オフィスだよ」と笑った。

1シンガポールドル(約66円)の出資金で簡単に会社を設立できる同国には、リクビン社のように登記や連絡を代行する会社は300〜400社あるという。

パケット社の登記で「秘書役」とされる女性もリクビン社の社員。

この女性は「2000社以上の秘書を務めている。それぞれの会社の業務は全くわからない」と話した。

パケット社唯一の「取締役」、エフェンディ・アハメド・ハリス・メリカン氏(31)は今月20日夜、同国郊外のショッピングセンターで取材に応じ、「頼まれて役員になっただけで、2ちゃんねるという掲示板も知らない」と話した。」


もし、自分が同じ立場になったらと思うと、ぞっとします。

面白そうな情報は、事の真偽を問わず、どんどん拡散していくネット社会。

個々の書き込みの削除依頼をしたくても、2ちゃんねるのケース↑のように、どこにどう依頼したら良いかわからないケースも多々あるでしょうし、そうでなくても、恐らくいたちごっこでしょう。

法整備も必要ですが、執行力がないからといって、裁判所の決定に従わない米グーグルの姿勢はいかがなものでしょうか。

機械的にやっているから問題ないでは、あまりに見識に欠けるのではないでしょうか。

プライバシーポリシーに照らし削除しないのではなく、実情に合致しないプライバシーポリシーは変更すべきなのではないでしょうか。

札幌弁護士会所属弁護士森越壮史郎法律事務所ホームページ
posted by 森越 壮史郎 at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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