2019年09月19日

司法試験合格者1502人 新試験で過去最少を更新 合格率33.63%で過去最高


以下は、毎日新聞(2019年9月10日)からの引用です。

「「予備試験」通過の合格者は315人、合格率は81.82%

法務省は10日、今年の司法試験の合格者を発表した。受験者4466人(昨年比772人減)に対し、合格者は1502人(同23人減)で、いずれも新試験に完全移行した2012年以降の過去最少を更新した。合格率は33.63%(同4.52ポイント増)で過去最高となった。

合格者の平均年齢は28.9歳で、最年少は20歳、最年長は65歳だった。法科大学院を修了した合格者は1187人で合格率29.09%。一方、法科大学院を修了しなくても受験資格を得られる「予備試験」を通過した合格者は315人で合格率は81.82%となり、例年と同様に法科大学院修了者を大きく上回った。性別では男性1136人、女性366人。

法科大学院別、慶大152人と最多、東大、京大、中大、早大が100人超

法科大学院別の合格者は慶応大が152人と最多。ほかに東京大、京都大、中央大、早稲田大の4校が100人を超えた。合格率は京都大62.69%、一橋大59.82%、東京大56.30%の順だった。

法科大学院修了者のうち、法学部出身者向けの既修コース(2年間)の合格率は40.01%、法学部出身者以外が中心の未修コース(3年間)は15.64%。修了から受験資格のある5年以内に合格した割合(累積合格率)は、今回の試験が最後になる14年度修了者で60.11%(既修のみでは72.19%)に達した。

司法試験は、法科大学院創設などの司法制度改革で旧試験が廃止され、新試験が導入された。だが、新試験に完全移行した12年に8000人を超えた受験者数は減少傾向となり、今年初めて5000人を割った。政府は「10年に年間3000人程度」としていた合格者数の数値目標を15年に「1500人程度」と変更している。今年の合格者数は目標をかろうじて上回った。

合格率の低迷を背景に、法科大学院の入学志願者数は04年の制度創設以来、減少傾向にあった。だが、志願者数は今春は前年より増加し、入学者数は1862人(昨年比241人増)となった。

司法試験合格者が10人以上だった法科大学院

           ※カッコ内は昨年の順位

順位 法科大学院 合格者(人) 合格率(%)
1(3)  慶応大  152   50.67
2(2)  東京大  134   56.30
3(1)  京都大  126   62.69
4(5)  中央大  109   28.39
5(4)  早稲田大 106   42.06
6(6)  一橋大   67   59.82
7(8)  大阪大   46   41.07
8(7)  神戸大   44   33.85
9(11) 明治大   26   16.05
10(9) 名古屋大  25   37.31
10(13)北海道大   25   24.04
12(18)立命館大   24   21.05
13(13)首都大東京  22   22.92
14(9) 九州大   20   33.90
14(18)東北大    20   38.46
16(24)筑波大    18   23.38
17(20)創価大    16   24.62
18(26)日本大    14   14.58
18(21)広島大    14   35.90
20(29)関西大    12   17.39
20(28)関西学院大  12   19.05
20(24)千葉大    12   19.67
23(15)上智大    11   11.46
   法科大学院計 1187   29.09
   予備試験合格者 315   81.82
       総  計 1502   33.63」





法務省の発表は↓
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00175.html

過去最少なのか、過去最高なのか、立場によって、見方は異なるでしょうね。

我々が受験した旧司法試験の時代は、合格率2%とかの超難関試験でしたが、その代わりに、合格しさえすれば、よっぽどのことがない限り、食うには困らないだろうと思っていました。

ところが、予備試験組の合格率は81.82%、既習コース組の累積合格率は72.19%とのことですので、優秀であれば予備試験からの一発合格、そうでなくても時間と費用をかければほぼ合格できる試験になりつつある一方、弁護士になったからと言って、食うには困らないとは言えない時代となりました。

もし、合格者3000人が堅持されていれば、更に食えない弁護士があふれかえり、更に司法試験を目指す人は少なくなり、しかも、予備試験がなければ、尚更、合格率は高くなったでしょうね。

得をするのは、誰でしょうか。

そう言えば、先日、法曹25周年ということで、久々に同期や教官と飲んだのですが、教官いわく、最近の修習生は、5人に1人は弁護士の子供じゃないかとのことでした。

我々の時代にも、弁護士の子供はいるにはいましたが、ごく僅かでしたが。

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2019年09月09日

民事裁判審理、半年以内に 3分の1に短縮、早期決着 最高裁などの研究会検討


以下は、共同通信(2019年09月04日)からの引用です。

「最高裁や法務省などでつくる研究会が、民事裁判の審理を半年以内に終える特別な訴訟手続きの導入を検討していることが3日、関係者への取材で分かった。

原告が希望し、被告が同意すれば、争点を絞り込むなどして審理を迅速化する。

審理期間は3分の1ほどに短縮される見通しで、早期決着が必要な企業間紛争などに対応しやすくなるとしている。

研究会は民事裁判のIT化を検討しており、報告書を年内にまとめる方針。

来年2月の法制審議会で民事訴訟法の改正が諮問される見通しで、報告書は参考資料となる。

最高裁の統計によると、証人尋問が行われるなどし、2018年に終了した一般的な民事裁判は審理に平均16カ月かかっている。

長期の審理や結審の時期が見通せないことが課題とされている。

研究会の案によると、特別な手続きでは、訴状や準備書面などを、インターネットを通じて提出し、書面数も制限するなどして争点を絞る。

特別な事情がない限り、第1回口頭弁論から半年以内に審理を終結する。

民事訴訟法は終結から2カ月以内に判決を言い渡すとしており、第1回口頭弁論から判決までの期間も1年以内となる。

通常の手続きで審理している民事裁判も、当事者の合意などがあれば、特別な手続きに移行できる。

裁判所が相当と認めれば、逆に特別な手続きから通常の手続きに移行することもできる。

政府は、民事訴訟に関する裁判手続きの全面IT化を目指しており、オンラインでの申し立て、訴訟記録の電子化などに取り組む方針。

法制審の答申を受け、22年中の民事訴訟法改正を視野に入れている。

※民事裁判のIT化

インターネットを通じた訴状提出や争点整理、裁判記録のペーパーレス化など、裁判手続きを効率化するための制度改革。

経済界を中心に、大量の裁判記録を保管したり、裁判所に赴いたりすることが負担になるとの声が根強く、政府の有識者検討会が全面IT化を提言した。

最高裁は既に、争点整理手続きへの「ウェブ会議」導入を決定。

法改正なしに導入が可能で、裁判所と弁護士事務所をネットでつなぎ、裁判所に赴く負担を軽減することが期待されている。」






インターネットを通じて提出しようが、ファックスで提出しようが、時間的には殆ど変わらないのではないでしょうか。

もっと言えば、持参して提出しようが、郵送で提出しようが、1つの裁判を通じて、何十日も変わるものでもないと思います。

ですので、特別な手続とやらと、IT化とを、リンクする必然性はないように思いますが。

全面IT化が実現して、一番ありがたいのは、裁判所でしょうね。

膨大なファックスが送られて来ることもなくなりますし、膨大な事件記録を管理しなくても良くなりますし、当事者の主張の整理もコピペで済むようになるかも知れませんし。

我々弁護士はどうかと言えば、少なくとも私自身は、ごく一部の依頼者を除いては、メールに添付して書面を送るという訳には行きませんし、パソコンに電子データとして保管していても訳がわからなくなりそうですし、外付けハードディスクに毎日自動でバックアップはしていますが、万が一のことがあったら心配ですので、今と変わらず、印刷して紙ベースの記録を作成して、依頼者には郵送して…ということになりそうで、電子認証やら何やら、面倒臭いことが増えるだけのような気がします。

でも、2022年には民事訴訟法改正とのことですので、逃れたまま引退という訳には行かないようですね。

本人訴訟は、どうなるのでしょうか。

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2019年09月05日

弁護士に懲役1年2月求刑 事務員に債務整理させる


以下は、共同通信(2019年09月04日)からの引用です。

「弁護士資格がない事務員に債務整理手続きの助言など非弁行為をさせたとして、弁護士法違反の罪に問われた弁護士古川信博(ふるかわ・のぶひろ)被告(32)=大阪府東大阪市=の公判が3日、大阪地裁(西川篤志(にしかわ・あつし)裁判長)であり、検察側は懲役1年2月を求刑した。

代表を務める弁護士法人「あゆみ共同法律事務所」には罰金300万円を求刑した。

検察側は論告で、事務所が非弁行為を前提に設立されたと認識していたと指摘。

「月35万円の報酬に目がくらみ非弁行為を助長し、弁護士の信頼を失墜させた」と指摘した。

弁護側は最終弁論で、非弁行為は事務所の元代表弁護士の女性=同罪で有罪確定=らが主導し「印鑑を勝手に使われた」と主張。

ほう助罪にとどまるとして罰金刑を求めた。

公判は結審し、判決は10月18日。

起訴状によると、2017年1月〜18年8月ごろ、事務員らに弁護士の名義を貸し、顧客12人に対して債務整理手続きなどの助言や指導をさせたとしている。」




この事件の続報ですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/464488803.html

気が付きませんでしたが、元代表弁護士の方は、有罪判決が出て、確定していたのですね。






という訳で、以下は、産経新聞(2019.4.25)からの引用です。

無資格事務員に名義貸し 弁護士に有罪判決

「無資格の事務員に法律事務を行う「非弁活動」をさせたとして弁護士法違反罪に問われた弁護士法人「あゆみ共同法律事務所」元代表、高砂あゆみ被告(33)=東京弁護士会所属=の判決公判が25日、大阪地裁で開かれ、西川篤志裁判長は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑1年6月)を言い渡した。

判決によると、高砂被告は、平成29年1月〜昨年8月ごろ、同法律事務所などで、インターネット関連会社「HIROKEN」から派遣された事務員に自身の弁護士名義を利用させて、顧客12人の債務整理手続きをさせたとしている。

西川裁判長は判決理由で「非弁行為をさせるために法律事務所を設立するなど、違法性の程度は大きい」と指摘。

一方、「弁護士資格を持っていたために取り込まれた面があるのは否定できない」と有利な事情も考慮した。」






執行猶予が付いても懲役刑だと弁護士資格を失いますので、罰金刑にして欲しいのは良く分かりますが、印鑑を勝手に使われていたなら無罪というのが道理でしょうし、毎月35万円も貰っていて幇助にとどまるというのもどうなんでしょうか。

主導的な役割を果たした訳ではないので何とか罰金刑で、というのでは弱いのですかね。

それにしても、33歳と32歳の弁護士が、揃って非弁提携とは、実に嘆かわしい話ですが、さて、どうなるのでしょうか。

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