2019年03月29日

成年後見 報酬改定へ 算定 財産額から業務に


以下は、東京新聞(2019年3月26日)からの引用です。

「認知症や知的障害などで判断力が不十分な人を支援する成年後見で、制度を運用する最高裁は、利用者が後見人に支払う報酬の算定方法を改定するよう促す通知を全国の家庭裁判所に出した。

現在は利用者の財産額に応じて決めているが、業務の難易度により金額を調整する方法に改め、介護や福祉サービスの契約といった日常生活の支援に報酬を手厚くする。


高齢化で認知症の人が増える中、生活支援のニーズは高まっているが、利用者からは「後見人が報酬に見合う仕事をしない」といった不満が出ていた。

納得が得られるようにして、利用を促す狙いだ。

詳しい算定方法は今後、各家裁の裁判官が決める。

ただ、低所得でも多くの生活支援が必要な人は負担増となる恐れがあり、反発を招く可能性もありそうだ。


報酬が支払われるのは、弁護士や司法書士、社会福祉士といった専門職が後見人に付いた場合が多く、親族に支払われることは少ない。


現在の報酬額は、例えば東京家裁が示している「目安」では、通常業務の基本額が月二万円。

管理する財産が多いほど報酬が上がり、財産が一千万円超五千万円以下の場合は月三万〜四万円、五千万円を超えると月五万〜六万円になる。


新しい仕組みでは、業務の内容に関係なく定額の報酬を与えたり、財産の額によって決めたりする方法を廃止。

財産目録の作成や本人との面会など、各業務の難易度に応じて「標準額」を定め、実施した業務に応じて標準額を加算・減算する形を想定している。

これまで多額の報酬を支払っていた富裕層の多くは負担が減る一方、生活に困難があり支援が必要な人ほど負担が増える可能性がある。

低所得者の中には現在でも報酬を支払えず、後見人が無報酬で働いているケースがあるため、「引き受け手が現れない例が増え、制度を利用できない人も出てくるのではないか」との懸念が出ている。

政府は成年後見の利用促進に向け二〇一七年に基本計画を策定。

最高裁は今月、後見人の交代を柔軟に認めるほか、選任では親族ら身近な支援者を優先する考えも示した。」





成年後見に関する研修の際に聞いた話は、こちらのことだったようです↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/464814608.html

利用者の不満と言っても、ご本人は、精神上の障害によって判断能力を欠く常況にありますから、ご自身で成年後見の申立をすることもないでしょうし、不満を言うこともないでしょう↓
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_01/index.html

成年後見の申立をするのは、通常は親族、その中でも、推定相続人の方が大部分だと思います。

推定相続人の方が、自分が成年後見人になるつもりで申し立てたのに、意に反して第三者が成年後見人に選任されてしまい、その報酬によって、自分が相続する筈の財産が目減りして行くのですから、何かにつけて不満を言うのは、当然のことではないかと思いますが。

国選の刑事弁護の接見の日当のように、報酬目当てで頻回にご本人に面会に行く専門職成年後見人が増え、そのうち、面会してもいないのに面会したという虚偽の報告が判明して、施設や病院のハンコを貰ってこいということにでも、なるのですかね。

個人的には、病状の変化等、面会の必要性があればともかく、そうでもないのに、頻回に面会に行くことに、意味があるとは思えません。

自分の母親も、認知症で5年位施設にお世話になりましたが、晩年は、我々子供達が面会に行っても、自分の子供であることが良く分からず、施設の人だと思っていたように感じました。

そんな母親の面会に行くのは、非常に気が重たいことでした。

ましてや、元々、自分の成年後見人であることなど分かっていない方に、月に1回とか面会に行くことに、何の意味があるのでしょうか。

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2019年03月28日

夫婦別姓訴訟 賠償棄却判決 「現行制度合憲」 東京地裁


以下は、毎日新聞(2019年3月25日)からの引用です。

「夫婦別姓を選べる法制度がないのは憲法に違反するとして、東証1部上場のソフトウエア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長(47)ら男女4人が、国に計220万円の賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。

中吉徹郎裁判長は原告側の請求を棄却し、現行制度は合憲との判断を示した。

夫婦別姓を巡る司法判断は、夫婦同姓を定めた民法750条を「合憲」とした2015年の最高裁判決以降、初めてとみられる。

今回の訴訟で、原告側は民法ではなく、戸籍法に着目。

日本人同士の離婚や日本人と外国人の婚姻・離婚では同法などに基づき、同姓とするか別姓とするかを選べる。

一方で日本人同士の結婚は戸籍法に同様の規定がなく、原告はこの点が「法の下の平等」を定める憲法14条などに違反すると主張。

別姓を選べる立法措置をとらない国会の「不作為」が違法だとして賠償を求めていた。

青野社長は01年に結婚し、妻の姓の「西端」に変える一方、仕事では旧姓の「青野」を使い続けている。

訴訟では、取引先との契約でどちらの姓を使うかの判断で手間がかかるなど「価値を生まない無駄な活動が日々発生している」と訴えていた。

選択的夫婦別姓の導入は1996年、法相の諮問機関・法制審議会が民法改正案要綱に盛り込んだが、法改正は実現していない。

15年の最高裁判決も裁判官15人のうち女性全3人を含む5人が「違憲」とし、国会での議論を促していた。」





この事件の続報ですが、随分と判決が出るのが早かったですね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/454918052.html

夫婦同姓を定めた民法750条を「合憲」とした2015年の最高裁判決については↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/431526134.htm

実体法である民法が合憲だと言っているのですから、その手続法である戸籍法が違憲だと言ってみても、仕方がないように思うのですが。

やはり、最高裁まで行くのでしょうか。

さて、どうなるのでしょうか。

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2019年03月26日

成年後見人には「親族が望ましい」 最高裁、考え方示す


以下は、朝日新聞デジタル(2019年3月18日)からの引用です。

「認知症などで判断能力が十分ではない人の生活を支える成年後見制度をめぐり、最高裁判所は1日、後見人には「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示した。後見人になった家族の不正などを背景に弁護士ら専門職の選任が増えていたが、この傾向が大きく変わる可能性がある。

同日開かれた制度の利用促進をはかる国の専門家会議で、最高裁が明らかにした。これまでは各家庭裁判所が親族らの不正を防ぐ観点から専門職の選任を増やしてきた。だが、制度の利用は低迷。こうした中で、国は2017年に利用促進の計画を策定し、見直しに着手した。利用者がメリットを実感できる仕組みに変える一環として、最高裁は今回初めて選任に関して具体的な考えを表明した。今年1月に各地の家庭裁判所に通知したという。

最高裁は基本的な考え方として、後見人にふさわしい親族など身近な支援者がいる場合は、本人の利益保護の観点から親族らを後見人に選任することが望ましいと提示。また、後見人の交代も、不祥事など極めて限定的な現状を改め、状況の変化に応じて柔軟に交代・追加選任を行うとする。昨年6月〜今年1月、日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会など専門職団体と議論を重ね、考えを共有したという。

最高裁家庭局は、後見人の選任は各裁判官が個々の事案ごとに判断するため「あくまで一つの参考資料」と説明する。ただ、今後、各家裁で運用方法を検討していくといい、最高裁の考え方に沿った選任への見直しが進むとみられる。

成年後見制度は、超高齢社会に認知症や障害がある人の財産管理や契約などを支援するため00年に導入された。しかし、認知症高齢者が500万人を超すと言われる中、成年後見の利用は約21万8千人(18年12月時点)にとどまる。

後見人には親族が自ら就任を望むことが多いが、家裁が親族を選んだ割合は23%(18年)にすぎない。見知らぬ専門職が後見人に選任されることへの反発は強く、財産管理だけでほとんど本人の生活支援がないまま高い報酬をとられることへの懸念も、制度利用を妨げる壁となっていた。

一方、各家裁は、本人の財産の使い込みなど、子や配偶者など親族らによる不正がピークの14年に全国で809件、約51億1千万円に上ったことなどを踏まえ、専門職の選任を進めてきた。

国の計画では、21年度までに全国の市区町村に設ける予定の「中核機関」で親族後見人の支援を担い、制度の理解不足による不正を防ぐことも想定。最高裁も中核機関の整備を前提に、親族らの選任を進めていきたい考えだ。

ただ、厚生労働省が同日発表した初めての実態調査(昨年10月時点)では、親族後見人を増やすカギとなる自治体の中核機関について、95%の市区町村が未設置で、今後の設置予定についても77%が「未定」と回答。中核機関設置が進まなければ、想定通りに見直しが進まない恐れがある。」





成年後見に関する研修の際に、近々、何か我々弁護士に不利になりそうな御触れが出るらしい、という話がありましたが、このことでしたか。

しかしながら、また仕事が減るのかと、嘆いていても、仕方ありません。

我々弁護士などの専門職が成年後見人に選任されるケースは、成年後見人にふさわしい親族がいない場合だけでなく、親族間で誰が成年後見人になるか争いがある場合、交通事故による損害賠償請求や遺産分割などの解決のために専門的な知識を要する場合、本人の資産が高額な場合など、様々です。

ただ、我々弁護士が、本人の成年後見人として、交通事故による損害賠償請求や遺産分割などの事件を解決しても、家庭裁判所が決定する成年後見人報酬は、代理人として事件を受任して解決した場合の報酬↓と比較すると著しく低額なので、必ずしもありがたい話ではありません。
http://morikoshi-law.com/bengosihiyou.html

むしろ、親族が成年後見人に選任され、その後見人から委任を受けて、代理人として事件を受任する方が、ありがたいというか普通の形ですし、成年後見人にふさわしい身近な親族がいるのであれば、親族が成年後見人になる方が、自然な形だと思います。

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