2018年01月31日

B型肝炎患者の救済制度 被害者の立場で見直しを


以下は、北海道新聞(2018/01/28)からの引用です。

「集団予防接種によるB型肝炎患者の救済策として、国が患者に支払う給付金に「格差」が生じている。損害賠償請求権を20年に制限する民法の除斥(じょせき)期間が壁となり、「発症から20年」を境に大幅に減額。長く苦しむ患者ほど救済されにくい矛盾に陥っている。患者がこの点を「不合理」と訴えた民事訴訟で、福岡地裁は昨年12月、減額を認めない判決を言い渡し、救済の道を広げた。全国訴訟の先駆けとなった札幌での提訴からまもなく30年。さらなる司法判断を待つまでもなく、国は早急に、被害者の立場で救済制度を見直すべきだ。

B型肝炎救済法は、B型肝炎に伴う慢性肝炎や肝硬変、肝がんなど病態に応じて給付額を設定。国を訴えて和解すると、給付金が受けられる。賠償請求権の起点は「発症時」で、20年を過ぎて提訴すると大幅に減額される。

しかし、症状がいったん沈静化した後に再発する例も10〜20%あるとされ、福岡訴訟の原告患者側は「いつ再発するか分からないのに、最初の発症が起点とされ、再発時に賠償請求権が消滅しているのはおかしい」と訴えてきた。

これについて福岡地裁判決は、発症時と再発時では病態が異なるため、「起点は再発時とすべき」との司法判断を初めて示し、発症時から20年以内に提訴した場合と同額の給付金を原告男性2人に支払うよう、国に命じた。

国が控訴し、訴訟は継続中だが、判決は格差解消に向けて一石を投じた。全国で集団提訴中の約80人が同様の主張をできるか、検討中という。

一方、発症後に病態が変化しないままの患者や死亡者には、今回の司法判断は適用できない。B型肝炎訴訟全国弁護団の佐藤哲之代表(札幌)は「除斥期間の適用自体を撤廃しない限り、救済されない患者が必ず出る」と指摘。最終目標の「撤廃」に向け、福岡地裁判決を足がかりに司法判断を積み重ねながら、救済の可能性を広げていく考え。ただ、患者に時間的な猶予はない。早期解決できるかは、政治決着できるかによる。

長期化の原因は国にある。B型肝炎訴訟は1989年に道内の原告5人が札幌地裁に全国で初めて提訴。原告勝訴の判決が2006年に最高裁で確定後も国は全面救済を拒否した。11年に原告団と国の基本合意で現在の救済の枠組みが整うまで23年かかった。

この間、原告側は、発症から20年を超す患者も含め、一律の解決を強く求めたが、重症患者の早期救済のためにも「一定の譲歩をせざるを得なかった」(弁護団)との経緯がある。当時、和解案を示した札幌地裁は「あらためて国会などの場で討議し、よりよい解決を」と求めたという。

基本合意の時点で、対象となる全国の患者数は推計40万人超、救済費用は約3兆円と試算された。国が承認した血液製剤の投与が原因でウイルス感染したC型肝炎訴訟の給付金は、対象者の推計が1万人超にとどまるせいか、提訴時期による格差はない。国の考え方一つなのではないか。

40万人超のB型肝炎患者のうち、昨年10月時点で提訴者の累計は約5万2千人、和解者は約3万1500人にとどまる。被害全体の解決には、患者を掘り起こすための検査態勢の充実や、医療費の助成など恒久対策も欠かせない。

「国が守りたいのは被害者ではなく、法律の規定なのでしょうか」。福岡訴訟の原告男性(59)は訴える。提訴から判決まで9年半。判決後の会見は体調を崩し、欠席した。時間ばかりが経過し、患者の苦しみだけが残る―。そんなことがあってはならない。」




我々弁護団以外に依頼をして、国の提示を鵜呑みにして、低額の和解をしてしまった方がいなければ良いのですが。

B型肝炎訴訟に関するお問い合わせは、こちら↓までお願いします。

〒064-0801
札幌市中央区南1条西12丁目4 酒井ビル3F
全国B型肝炎訴訟北海道弁護団事務局
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2018年01月30日

<日弁連>弁護士4万人を突破 10年で1.5倍


以下は、毎日新聞(2018/1/26)からの引用です。

「◇訴訟数は横ばい 「司法試験合格者数を抑制すべきだ」の声も

国内の弁護士数が今月、初めて4万人を超えたことが、日本弁護士連合会への取材で明らかになった。

司法制度改革が本格始動した2002年以降、弁護士が大半を占める法曹人口の拡大が続き、ここ10年間で約1.5倍に増えた。

日弁連は活動領域の拡大に力を入れているが、裁判件数が増えていないこともあり「司法試験の合格者数を抑制すべきだ」との声もある。

日弁連によると、弁護士登録者数は昨年3月末時点で3万8980人だったが、今月に入り4万人を突破し、25日現在で4万103人となっている。

政府は02年、国民が利用しやすい司法制度の実現を掲げ、司法試験の年間合格者目標を「年間3000人程度」と設定。

1万人台で推移してきた弁護士数は04年に2万人台、11年に3万人台に達した。

しかし、最高裁などの調べでは、全国の地裁に起こされた民事裁判の件数は、一時的に激増した過払い金訴訟を除くと過去10年、年間9万〜10万件でほとんど変わらない。

このため、限られた仕事を奪い合う状況になっているとして一部の弁護士が反発。

法曹志願者数の減少もあり、政府は15年に年間合格者目標を「1500人程度を下回らないようにする」と修正した。

日弁連の中本和洋会長は24日の定例記者会見で、交通事故などに遭った人の弁護士費用を保険会社が負担する「弁護士保険」が広がっていることから「交通事故の受任件数が飛躍的に増えている」と話し、弁護士の活動領域は今後も広がりうるとの見解を示した。

また、司法制度改革に詳しい飯考行(いいたかゆき)・専修大教授(法社会学)は「大都市圏では弁護士の就職状況が改善され、過疎地域ではむしろ弁護士の確保が難しくなっている。企業や自治体による弁護士の採用は増えつつあり、現状の合格者数1500人を維持することが望ましいのではないか」と話す。

一方、埼玉、千葉、兵庫など地方の17弁護士会は16年に「(弁護士の)供給過剰を食い止めなければ、危機を深める」と指摘し、合格者数をさらに減らすよう求める共同声明を発表している。




2016年の17弁護士会の共同声明とは、このことですかね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/446055879.html


10年間で1.5倍というか、私が生まれた1965年で約7000人、私が弁護士になった1995年で約15,000人ですから、50年間で5倍以上、20年間で2.5倍以上に増加していることになりますが、「司法試験の合格者数を抑制すべきだ」との声もあるだけ、一部の弁護士が反発しているだけなのですか↓
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2015/1-1-1_danjo_nenrei_suii_2015.pdf#search=%27%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB+%E4%BA%BA%E5%8F%A3+%E6%8E%A8%E7%A7%BB%27

自動車の安全技術の進歩などにより、2007年をピークに、交通事故の件数は年々減少しているのですが、ご存じないのでしょうか↓
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h28kou_haku/gaiyo/genkyo/h1b1s1.html

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2018年01月29日

NHK受信料訴訟 ラブホテルに全額支払い命令 東京地裁


以下は、毎日新聞(2018年1月24日)からの引用です。

「ラブホテルの客室にテレビを設置しているのに受信契約を結んでいないとして、NHKが大阪府摂津市のホテル運営会社に受信契約の締結と受信料計約8万円(17室、2カ月分)の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は24日、契約締結と全額の支払いを命じた。

判決によると、ホテルは2016年12月までに客室にテレビを設置。

同月下旬にNHKから受信契約の申込書が届いたが、契約せず「テレビはNHK放送を受信できないような状態にするので契約は不要」と主張した。

判決で、朝倉佳秀裁判長は「放送法は受信設備の設置者に、受信契約の締結を強制している」と退けた。

NHKはビジネスホテルにも同様の訴訟を起こしている。

東京地裁は昨年3月、全国で200以上のビジネスホテルを展開する「東横イン」(本社・東京)に対し、受信料請求訴訟では過去最高額となる約19億3000万円の支払いを命じている。」




昨年12月の最高裁判決については↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/455386339.html


昨年3月の東横インに関する判決については↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/448977127.html

最高裁判決が出るということで、その結論待ちだった下級審が、最高裁判決に右にならえと判決を出し始めた、というところでしょうか。

東横インの方は、1審の地裁判決が出てから結構経ちますけど、控訴審の高裁判決が出たという報道はないみたいなので、和解したということでしょうか。

それとも、やはり最高裁判決待ちで、まだ続いているのでしょうか。

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