2017年05月26日

造幣局提訴 盗まれた金塊返して 質店「横領品だから」


以下は、毎日新聞(2017年5月18日)からの引用です。

「盗まれた「金」は戻るのか−−。

独立行政法人造幣局東京支局(現在は移転し、さいたま支局に改称)の職員が勤務先から盗み出して質入れした金塊や金貨(時価計約7450万円)について、同局が二つの質店を相手に返還を求めて提訴していたことが分かった。

民法は窃盗罪や遺失物横領罪について被害から2年以内なら元の所有者が取り戻せる「回復請求権」を認めているが、質店側は「職員の行為は業務上横領罪などに当たり請求権は存在しない」などと返還を拒んでいる。

同局によると、回復請求権に基づく返還請求訴訟の提起は初めてという。

同支局総務課専門官だった50代の元職員の男(懲戒免職)は2014〜16年、勤務先から金塊などを盗んだとして、さいたま地裁は今年4月、窃盗罪で懲役5年の判決を言い渡した(確定)。

男は「外国為替証拠金取引の損失を穴埋めするためにやった」と起訴内容を認めていた。

男は東京都と埼玉県の二つの質店で、盗んだ金塊や金貨を換金。

同局は盗まれてから2年以内に順次両店に返還を求めたが、拒否されたため、それぞれ東京地裁とさいたま地裁に提訴した。

両地裁で3〜4月に開かれた口頭弁論で、質店側は「元職員は(金塊や金貨などを)展示品として貸し出す業務の担当者として被害品を持ち出したり、業務の一環として部下をだまして持ち出させたりしており、業務上横領罪や詐欺罪に当たる」などと主張。

刑事裁判で認定された窃盗罪には当たらないとして「回復請求権の成立」を否定し、請求棄却を求めている。

元検事で民法の回復請求権にも詳しい國田武二郎弁護士は「裁判では刑事と民事で判断が分かれることはある。金塊や金貨の購入額が大きく、質店側は返還による丸損を避けたいはずだ。夜中に忍び込んで持ち出した場合などは盗難品と言いやすいが、今回の民事裁判では元職員の職務権限や、虚偽説明で持ち出した経緯などが判断のポイントになるだろう」と指摘する。

二つの質店の代理人弁護士は取材に「言うべきことは法廷で主張していく」と話し、造幣局は「コメントは差し控え、今後の推移を見守りたい」としている。」




私は、元検事でも、民法の回復請求権に詳しい弁護士でもありませんので、関連条文を調べてみました。

民法192条は、「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」と定めています。

いわゆる即時取得(善意取得)と言われるもので、動産の占有者は所有者であろうという外観を信頼して取引した者を保護し、動産の取引の安全を図るためのものです。

一方、同法193条は、「前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。」と定めています。

自らの意思とは全く関係なく占有を離れた場合には、占有という外観を信じた者よりも、真の所有者の権利を保護するということです。

同法194条が、「占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。」と定めていることから、そうではない場合には、無償で回復請求することができるものとされています。

ちなみに、質屋営業法22条は、「質屋が質物又は流質物として所持する物品が、盗品又は遺失物であった場合においては、その質屋が当該物品を同種の物を取り扱う営業者から善意で質に取った場合においても、被害者又は遺失主は、質屋に対し、これを無償で回復することを求めることができる。但し、盗難又は遺失のときから1年を経過した後においては、この限りでない。」と定めています。

我々の司法試験の時代の短答式の過去問とかに、あったような気がしてきました。

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2017年05月23日

司法試験開始、5967人が受験


以下は、朝日新聞デジタル(2017年5月18日)からの引用です。

「今年の司法試験が17日、全国7都市(9会場)で始まった。

法務省によると、受験者数は5967人(速報値)で、昨年より932人減少した。

旧試験との併存がなくなった2012年以降では、最低の受験者数になった。

21日まで論文式と短答式の試験が続く。

合格発表は9月12日。

昨年の司法試験は1583人が合格し、全体の合格率は22.95%。」




まだ、今年の速報値は出ていませんが、法務省の発表は↓
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00026.html

新司法試験制度が始まり、一番受験者数が多かったのは、2011年の8765人のようです↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/270515939.html

それが、年々減少して、昨年は1117人減の6899人↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/437935045.html

今年は、更に932人減少して、5967人ですか。

司法の地盤沈下が、止まりません。

得をするのは、誰でしょうか。

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2017年05月22日

「ホタル族」被害者の会結成 近隣ベランダからの受動喫煙で人権救済申し立てへ 喫煙者さらに厳しく


以下は、産経ニュース(2017.5.15)からの引用です。

「いわゆる「ホタル族」らがマンションのベランダなどで吸うたばこの煙が近隣住宅へ流れる受動喫煙に対し、被害者団体が結成され、日本弁護士連合会に人権救済申し立てを行うことが14日、分かった。火災も増えているとみられ、飲食店や公共施設での受動喫煙規制の議論が高まる中、喫煙者への風当たりはさらに厳しくなる。

団体の名称は「近隣住宅受動喫煙被害者の会」。全国で一定程度の会員が集まり次第、人権救済を申し立てるとともに、「ベランダ喫煙禁止法」の制定を目指し、厚生労働省や国土交通省に働きかける。さらに各自治体に対し、近隣住宅での受動喫煙を防止する条例の制定を求めるという。

代表となる埼玉県在住、荻野寿美子さん(49)は、マンション近隣宅の喫煙に悩まされ、解決するまでに5年かかった。

「煙を吸うと、涙が出てせきが止まらなかった」。医者に受動喫煙症と診断され、ベランダでの喫煙に注意喚起の紙をマンションに掲示しても変わらず、管理組合や管理会社と掛け合った。人間関係の悪化を恐れ、喫煙者と直接やり取りすることは避けたため時間がかかったという。

荻野さんは小学生の頃、肺炎や気管支炎を繰り返し発症するほど病弱だった。父親は「たばこで死ねるなら本望だ」というほどのヘビースモーカーで、禁煙を泣いて頼んでもやめなかった。

突発性間質性肺炎などを患い、父親は平成22年に亡くなったが、荻野さんは「肺が破れて空気が体内に漏れ、上半身が風船のように膨らむなど壮絶な最期だった。本人にとっても家族にとってもつらい目に遭わせた」と話す。

ベランダでの喫煙被害については、24年12月に司法判断が出ている。名古屋地裁は、名古屋市のマンションで、階下に住む男性のたばこの煙により、女性が体調を崩したとして、男性に慰謝料5万円の支払いを命じた(確定済み)。

ベランダが出火元の火災も増えている。総務省消防庁によると、たばこが原因となった建物火災のうち、ベランダやバルコニーが出火場所となった割合は、17年の4・6%から26年の11・5%へと増加した。

受動喫煙被害に詳しい岡本光樹弁護士は「ベランダでの喫煙被害については、トラブルを避けて泣き寝入りしているケースも多い。被害者団体は潜在的な被害者の相談窓口になるだろう」と話す。

■ホタル族 マンションなどの共同住宅で、ベランダやバルコニーに出て喫煙する人。夜間、たばこの火がホタルの発光に見えることからこう呼ばれる。部屋の壁がやにで汚れるのを避けたり、家族に配慮したりするためで、父親の威厳の失墜という意味で存在が揶揄(やゆ)されることもある。ベランダは占有使用権が認められているが、共用部分でもあり、火気使用は規約で禁止されている場合も多い。」




名古屋地裁判決については↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/397165556.html

副流煙の出ない電子タバコに変えるべきですかね。

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