2017年01月31日

AV出演拒否で女性に賠償請求 提訴の弁護士「懲戒審査相当」 日弁連異例の決定 「正当な活動」反論も


以下は、産経ニュース(2017.1.19)からの引用です。

「アダルトビデオ(AV)出演を拒否した20代の女性に所属事務所が約2400万円の損害賠償を求めた訴訟をめぐり、日本弁護士連合会(日弁連)が、所属事務所の代理人を務めた60代の男性弁護士について「提訴は問題だった」として、「懲戒審査相当」の決定をしていたことが18日、関係者への取材で分かった。弁護士は依頼者の利益を代弁する職責を持つため、提訴を理由に懲戒審査に付されるのは異例だという。

確定判決によると、女性は「タレントになれる」と18歳でスカウトされ、事務所と契約。その後、AV出演を求められ、拒否すると事務所から「違約金を支払え」などと脅された。女性が契約解除を求めると、事務所は男性弁護士を代理人として損害賠償訴訟を東京地裁に起こした。

しかし平成27年9月の1審判決は「事務所は高額の違約金を盾にAV出演を迫った」と指摘。「女性には契約を解除するやむを得ない事情があった」として請求を退けた。事務所側は控訴せず、判決は確定した。

この報道を知った東京都の男性が27年10月、「提訴は女性を恫喝(どうかつ)したAV出演強制を助長する行為で、弁護士の品位に反する」として、男性弁護士の懲戒を所属先の第2東京弁護士会(2弁)に請求した。請求した男性は女性や男性弁護士と面識はないという。

2弁の綱紀委員会は28年3月、「提訴は正当で、品位に反するとは言えない」として懲戒審査に付さないことを決定。男性は日弁連に異議を申し立てた。

日弁連の綱紀委は28年12月、「訴訟活動は弁護士の本質的職務で、提訴が懲戒理由とされるのは極めて例外的な場合に限られるべきだ」としつつも、(1)提訴はこの女性や同様の立場にいる女性にAV出演を強制する行為とみなされる恐れがある(2)請求額の妥当性や、提訴が女性の心理に与える圧力などを十分に検討していない−などとも指摘。

「訴えの正当性がないことを知りながら提訴するなどの『不当訴訟』とまでは言えないものの、提訴や訴訟内容に問題がなかったとは言えない」として2弁の決定を取り消した。このため2弁の懲戒委員会は今年1月、懲戒審査を始めた。

弁護士の不正を監視する「弁護士自治を考える会」主宰の市井信彦さん(62)は「懲戒理由の大半は、預かり金の着服や仕事放置、訴訟手続きのミスなどだ。提訴や訴訟内容を理由に懲戒審査に付されるのは異例で、懲戒処分が下れば初だろう」と指摘。「弁護士は依頼者の利益だけでなく、社会的利益の実現も求められていることを理解すべきだ」と話した。

ただ弁護士の間には、日弁連の決定について「万人が持つ提訴権を代理して裁判所の判断を仰ぐのが職務なのに、提訴や訴訟内容を理由に懲戒されるリスクがあるなら、暴力団絡みの事件などは引き受け手がいなくなる」と危惧(きぐ)する声もある。

男性弁護士は取材に「日弁連の決定は異例で納得できない。正当な訴訟活動で懲戒されれば弁護士全体の萎縮につながる。懲戒委で正当性を訴える」と話した。

■弁護士の懲戒

弁護士に違法行為や品位に反する行為があった場合、誰でも懲戒を請求できる。懲戒は重い順に、除名▽退会命令▽業務停止▽戒告。懲戒請求された場合、まず各弁護士会の綱紀委員会が調査。懲戒の可能性があると判断した場合、懲戒委員会に審査を付し、懲戒委が懲戒の是非や処分内容を決める。綱紀委から懲戒委に審査が付される割合は10%程度とされる。」




事件の内容、裁判所、判決の時期等からして、この事件の続報でしょうね↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/427336457.html

弁護士職務基本規程31条は、「弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない。」と定めています↓
http://www.nichibenren.or.jp/activity/improvement/ethic.html

さて、どうなるのでしょうか。

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2017年01月26日

電子マネーの不正使用被害、楽天側に賠償命令 東京高裁


以下は、朝日新聞デジタル(2017年1月18日)からの引用です。

「携帯電話を落として電子マネーの不正使用の被害に遭った千葉県の男性が、電子マネーの運営会社が注意喚起を怠ったとして、「楽天Edy」(東京都)などに被害額など約320万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審が18日、東京高裁であった。

小野洋一裁判長は男性の訴えを退けた一審・東京地裁判決を変更し、楽天側に約220万円を支払うよう命じた。

判決によると、男性は2012年11月に携帯電話を紛失。

翌日に携帯電話会社に連絡して通信サービスを停止したが、翌年1月上旬までに約290万円の電子マネーを不正利用された。

判決は、携帯電話をなくした場合、「通信サービスを停止すれば、電子マネーも使われることはないと考える人がいることは想定できなくない」と指摘。

携帯電話を紛失した時に、楽天側にも連絡しなければならないことなどを、12年当時にホームページなどで周知していなかったことから、楽天側に注意義務違反があったと判断した。」



「通信サービスを停止すれば、電子マネーも使われることはないと考える人がいることは想定できなくない」ですか。

スマホを使っている人なら、機内モードに設定して、通信サービスが停止状態でも、ゲームなどのアプリが使用できることは、経験的にわかると思うのですが、高裁の裁判官は、スマホなんて使用しないのでしょうか。

地裁の裁判官より高裁の裁判官の方が高齢ですし、最高裁の裁判官は尚更ですが、楽天側は、上告するのでしょうか。

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2017年01月25日

詐欺 薬代詐取容疑、医師を逮捕 十数回虚偽診断 警視庁


以下は、毎日新聞(2017年1月17日)からの引用です。

「性感染症にかかったと虚偽の診断をし、治療薬の代金を患者から詐取したとして、警視庁捜査2課は17日、東京都新宿区の診療所「新宿セントラルクリニック」院長、林道也容疑者(69)を詐欺容疑で逮捕した。

2010年ごろから同様の手口で詐欺を繰り返していたとみられ、同課は多数の被害者がいるとみて調べる。

逮捕容疑は12年9月中旬から同12月中旬、患者として同クリニックを訪れた国分寺市の会社役員男性(68)にクラミジア感染症の血液検査を実施。

「感染している」と虚偽の診断をして十数回にわたり治療薬を処方し、薬代として約2万6000円をだまし取ったとされる。

「(容疑は)間違っています。後で説明します」と否認しているという。

クラミジア感染症は通常、血液検査で基準値を超える抗体が検出されれば陽性となる。

林容疑者は民間の検査機関に依頼して感染の有無を調べていたが、虚偽の基準値を記載した結果報告書を患者に示し、陰性の患者に「感染している」と告げていたという。

同クリニックを巡っては、この男性を含む患者6人が13〜15年、虚偽の診断で診療費をだまし取られたとして、林容疑者に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。

うち2人については、それぞれ林容疑者に診療費や慰謝料など約49万円と約25万円の支払いを命じる判決が最高裁で確定している。

林容疑者は09年に自宅が競売にかけられており、同課は金に困って詐欺を繰り返した疑いがあるとみている。

同クリニックは内科や皮膚科、性感染症内科(性病科)などがある。」




以下は、同じく毎日新聞(2017年1月17日)からの引用です。

詐欺 薬代詐取容疑、医師を逮捕 「もうかっている。不正の理由ない」 一問一答

「林容疑者は昨年10月7日、毎日新聞の取材に応じ、虚偽の診断を否定していた。主なやり取りは次の通り。

−−性病に感染したとうその診断をしていたのでは。

◆事実誤認だ。私は間違った診断はしていない。(賠償命令を出した)裁判官は医療の専門家でなく、難しい診断のことがわかるはずがない。

−−診断が正しいという根拠は。

◆(検査機関の定めた)基準値を下回っていても、抗体が少しでも検出されれば、診断時に体内に病原菌がいる可能性が高い。患者も患部が腫れるなど症状に困って来ており、問診なども含めて総合的に判断している。

−−今も診断基準を変えず、性感染症の治療を続けているのか。

◆血液検査の結果が基準値以下でも、実際に症状が出ている患者が大勢いて、私のところへ駆け込んでくる。ただ、最近は弁護士の助言で診断基準を示した承諾書に署名してもらうようにしている。

−−あなたの専門は麻酔科で、性感染症は専門外なのでは。

◆麻酔科は麻酔が必要なさまざまな症状に対応するので、幅広い分野の知見が身につく。私は頭がよく洞察力があるので、ちゃんと診察できる。

−−お金に困っていたのでは。

◆私は「できる医者」。今も口コミで多くの患者が来て、病院はもうかっている。高級外車に乗り、高級店ばかりで飲食するような余裕がある。不正をする理由がない。」




報道記事の掲載期間は過ぎているようですが、民事の損害賠償請求事件は、昨年2月2日に、上告棄却で、確定しているようですね↓
http://medicallaw.exblog.jp/25342886/

この弁護団の刑事告訴を端緒とする逮捕でしょうか↓
http://www.iryo-bengo.com/general/press/pressrelease_detail_50.php

医師側にも、弁護士がついているようですが、さて、どうなるのでしょうか。

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