2016年08月30日

DV被害女性ら「違憲」提訴 「夫婦の子」否認できるのは夫だけ


以下は、朝日新聞デジタル(2016年8月25日)からの引用です。

「生まれた子との間に「親子関係がない」とする「嫡出(ちゃくしゅつ)否認」の訴えは夫しか起こせない、とした民法の規定によって娘や孫が「無戸籍」の状態になり精神的苦痛を受けたとして、兵庫県内に住む60代の女性ら4人が24日、国に計220万円の損害賠償を求め、神戸地裁に提訴した。

「法の下の平等」や「結婚や家族における男女の平等」などを定めた憲法に違反すると主張。国会が法改正を長期間怠ってきたと訴えている。代理人の作花知志(さっかともし)弁護士によると、この規定の違憲性を問う訴訟は過去に例がないという。

原告は女性と30代の娘、2人の孫。訴状によると、女性は約30年前に夫の継続的な暴力から逃げて別居し、離婚の成立前に別の男性との間に娘を産んだ。離婚前に生まれた子は、民法の規定により夫の子と推定されるため、女性は娘の出生届を出すことを断念。娘は無戸籍となり、その子である孫2人も無戸籍となった。その後、元夫が死亡したことが3年前に分かり、娘の戸籍を作る手続きを進めた結果、3人の無戸籍が解消された。

嫡出否認の訴えは、家父長制度を廃止した戦後の民法改正でも残された。父子関係を否定するには、親子関係がないことを確認する訴えや、実の父親に認知を求める方法があり、原告側も実父に子の認知を申し立てた。だが手続き中に裁判官から「元夫の『自分の子ではない』という証言がないと進められない」と言われ、断念したという。

原告側は、妻や子も嫡出否認の訴えを起こすことができれば、無戸籍を避けられたと主張。無戸籍になることで選挙権が認められず、銀行口座を開けないなどの不利益があるとして、国が人権問題として取り組むべきだと訴えている。

■「社会変える契機に」

嫡出否認の訴えの前提には、「嫡出推定」がある。「離婚から300日以内に生まれた子は、前夫の子」とみなす民法の規定だ。夫が離婚を認めなかったり、夫との関わりを避けたりしている場合は女性が出生届を出せず、子が「無戸籍」となる原因になってきた。法務省によると、今月10日時点で全国に702人が確認され、8割は未成年だ。

原告の女性の娘も30年以上無戸籍だった。「同じように苦しんできた人たちが救われ、社会を変えるきっかけにしたい」。女性は提訴前、朝日新聞の取材にそう答えた。

家族に関する民法の規定をめぐっては、婚外子の相続分差別や女性の再婚禁止期間をめぐり、最高裁が違憲と判断し、法律が改正される例が相次いでいる。一方、嫡出推定や嫡出否認の規定は、国会で議論されることはあったが、法改正の目立った動きはない。金田勝年法相は23日、「家族法の根幹に関わる重要な問題。慎重に検討をしたい」と述べるにとどめた。

棚村政行・早稲田大教授(家族法)は「夫を家の中心として、家庭の平和を保つという古い時代の考えが根底にある。学説的にも不合理性が以前から指摘されてきた。嫡出推定を含めて実態に合わせた改正を検討するべきだ」と話す。

■家族をめぐる近年の最高裁の判断

2013年 9月
「婚外子の相続分は結婚した男女の子の半分」とした民法の規定は違憲とする決定

12月 
性別変更した男性と妻が、第三者の精子を提供されてもうけた子を「男性の子」とする決定

14年 7月
DNA型鑑定で血縁がないと証明されても、それだけで父子関係は取り消せないとする判決

15年12月
「離婚した女性は6カ月間は再婚できない」とする民法の規定について、100日を超える部分は違憲とする判決」




私が戸籍関係に詳しい弁護士ではないからかも知れませんが、妻や子も嫡出否認の訴えを起こすことができれば、なぜ無戸籍を避けることができたのか、わかりません。

嫡出否認の訴えであれば、夫に内緒で、進めることができたのでしょうか。

仮に、夫婦の間の子供ではないと認められたとしても、離婚が成立していない以上、夫と一緒の妻の戸籍に入るしかないのではないでしょうか。

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2016年08月26日

「埼玉県警のDNA鑑定は違法」窃盗事件、一部無罪判決


以下は、朝日新聞デジタル(2016年8月23日)からの引用です。

「2件の窃盗罪などに問われ、一審・さいたま地裁でいずれも有罪判決を受けた無職の男性被告(58)の控訴審判決で、東京高裁(植村稔裁判長)は23日、埼玉県警のDNA型鑑定が違法だったとして、1件を無罪とする判決を言い渡した。

懲役2年4カ月とした一審判決を破棄し、1件についてのみ、懲役1年10カ月の有罪判決を言い渡した。

被告は2010年と13年に建設現場から現金を盗んだなどとして起訴された。

高裁判決によると、埼玉県警の捜査員は昨年1月、警察官だと告げずに、路上生活をしていた被告にお茶を飲ませて紙コップを回収。

付着した唾液(だえき)のDNA型鑑定結果をもとに被告を逮捕した。

公判で被告は「相手が警察官だと名乗っていればお茶を飲まなかった」と主張。

判決は、捜査手法について「令状もなく、被告の意思に反して唾液を採取しており、重大な違法」と批判した。

「時効が迫るなどの緊急性があった」としてこの捜査を適法とした一審判決を破棄し、鑑定結果を証拠から排除。

1件については「立証が尽くされていない」として、無罪と結論づけた。」




いわゆる違法収集証拠排除法則の適用事例ということになります↓
http://morikoshisoshiro.seesaa.net/article/254493707.html

一審判決の「時効が迫るなどの緊急性があった」から適法という判断も凄いですが、警察・検察側が、そんなことを言うのであれば、別に証拠を違法に収集しなくても立件できる事件を、時効で処理するようなことは、しないで欲しいものです。

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posted by 森越 壮史郎 at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月25日

弁護士着服被害に見舞金 不正相次ぎ日弁連が制度創設へ


以下は、朝日新聞デジタル(2016年8月23日)からの引用です。

「成年後見人として預かった高齢者の財産を着服するなど、弁護士の不正が相次いでいることを受けて、日本弁護士連合会が被害者に見舞金を支払う制度を創設する。

経営に苦しむ弁護士の増加が背景にあるとみており、「市民の信頼低下を防ぐことが急務」との考えだ。

早ければ来年4月にも導入する。

成年後見人は、認知症などで判断力が十分でない人に代わって、親族のほか弁護士や司法書士などの「専門職」らが財産を管理する。

最高裁によると、「専門職」が後見人として財産を着服した不正は、昨年1年間に37件で、2010年に調査を始めて以来、最多だった。

被害総額は1億1千万円にのぼったという。

後見人以外でも、弁護士が依頼者の財産を着服するケースが続発。

大阪地裁では今年3月、顧問先から預かった総額5億円を6年にわたって着服した弁護士に懲役11年の実刑判決が言い渡された(弁護士は控訴)。

背景には、弁護士数の急増(8月1日現在で3万7626人)や景気の影響で仕事が減り、資金繰りに困る弁護士が増えていることがあるとみられる。

日弁連は「不正事件が相次げば、弁護士全体の信頼の低下につながりかねない」として、13年から対策を検討してきた。

創設する「依頼者保護給付金制度」は、弁護士の着服について刑事裁判の有罪判決や弁護士会による懲戒処分が出た場合、被害者に見舞金を支払う仕組み。

上限は被害者1人当たり500万円で、複数の被害者がいる場合は弁護士1人当たり2千万円を上限とする。

日弁連に新設する審査会で被害者らに事情を聴いた上で支払い額を決める。

だが、弁護士たちが日弁連に納める会費を財源に充てるため、「一部の悪い弁護士のために、なぜ会費を使うのか」という批判もある。

このため、日弁連は7月から全国の弁護士会の意見を募集しており、その結果を踏まえて正式に決める。

同時に、依頼者から預かった金を管理している口座の番号などについて弁護士会に届け出を義務付ける不正防止策も検討している。

法曹倫理に詳しい森際康友・明治大特任教授(法哲学)によると、今回の見舞金に似た仕組みは、米国ですでに導入されているという。

森際特任教授は「弁護士の不正は依頼者の財産だけでなく、司法制度への信頼を損なう。弁護士会は被害への対処に加え、弁護士の生活設計支援など不正予防につながる制度づくりも進めるべきだ」と指摘する。」




早ければ来年4月にも導入ですか。

事の善し悪しは別として、新聞報道等でしか、知らされることがないのですが。

日弁連は、7月から全国の弁護士会の意見を募集しているとのことですが、札幌弁護士会の会員懇談会とかでは、議題になっていませんよね。

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posted by 森越 壮史郎 at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする